なめ犬のとことん中国香港台湾映画

中華圏(中国、香港、台湾)の映画だけを取り扱ったブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

中国香港台湾映画レビュー その6 「公園」

公園公園
制作年:2007年
監督:尹麗川 (イン・リーチュアン)
出演:
   李佳 (リー・ジア)
   王徳順 (ワン・ダーシュン)
   王学兵 (ワン・シェビン)
   徐涛 (シィー・タオ)
ジャンル:ヒューマンドラマ
鑑賞:彩の国さいたま中国映画祭2007


昆明でテレビ関係の仕事をするキャリアーウーマンの小君(リー・ジア)のアパートに、突然連絡もなしに故郷の父(ワン・ダーシュン)が訪ねて来た。恋人闘闘と一緒に寝ていたので、急いで窓から闘闘を追い出して父を向かい入れた。父は、教師を定年退職して、母はすでに亡くなり、独り娘の小君が結婚して幸せになることを願っている。父は何かと小君の生活に入り込んで、小君のひとり暮らしをかき乱し、娘の結婚を心配する余り、公園で親同士が子供の結婚相手を探す「公園お見合い」に参加するため、公園通いをする始末であった。あまりにしつこいので、小君は父に恋人の闘闘を紹介したが、小君より年下で、音楽関係の仕事をしているが収入が不安定であることから、闘闘に違う仕事を進めたりと不満ばかりぼやく。父が原因もあり、闘闘と別れることになってしまった小君は、嫌々ながら公園お見合いに参加することになる。そこで、父が以前から気になっていた王さんの息子・徐超(ワン・シェビン)を紹介してもらい、お見合いは進むにみえた。果たして、この「公園お見合い」によって小君は結婚を決めるのか、そして父娘の関係はどのように進んでいくのかというお話。

監督は、本作がデビュー作のイン・リーチュアン監督。出演者は、テレビ関係の仕事をする小君を演じるのは『故郷の香り (原題:暖)』のリー・ジア、小君の父を演じるのは『ヘブン・アンド・アース (原題:天地英雄)』のワン・ダーシュン、小君のお見合い相手の徐超を演じるのはワン・シェビン。

公園に集う年老いた親たちが、忙しい子供のためにお見合い相手を探すことを絡ませながら、昔ながらな父親と現代的な娘との親子の愛情を描いている。

序盤からひとり暮らしの女性の生活をみせるように、仕事にも恋にも忙しい小君の散らかった部屋を映しだしている。恋人を連れ込み、誰の詮索もなく自由な生活が当然現れた父によって変わってしまった。故郷からやってきた父は、定年退職したことで自由な時間ができ、娘を心配するあまりに昆明にやって来たのだ。そして親戚の結婚話しを使って、年頃の小君に早く嫁にいってほしいことを遠回しに伝えているのであるが、小君からすれば鬱陶しいのが表情から滲み出ている。食事も父が作り、食器洗いも父がやりと何かとケチをつけて率先して父がやるのだ。父の存在が煙たがっている様子であるが、小君が友人と父のことを話していて定年退職した後の心配事を語っていたのが終盤に絡んでくる。

小君が父に闘闘を紹介するシーンでは、父側の正直な意見、娘としての心境、闘闘の心境がうまくみせている。小君は今まで通り恋愛を続けたい気持ち、闘闘は今のままではいけない気持ちや今の時点で結婚するわけにはいかないことなどがみえるなかで別れることになる。父も別れさせようとして嫌味を言っているのでないのがわかるが、単に娘が心配なだけなのだ。年頃の娘に早く結婚して欲しいと願う父、そんな態度が煩わしい娘の心境がみえる。

公園お見合いに父が参加しているのを、小君がレポーターとして公園に来ているときに遭遇するのは笑えるところだ。職場の人たちもいるのに恥ずかしいと漏らす小君、周りがみえずに必死な父の姿なのだ。仕方なしに公園で嫌々お見合いをする小君であるが、なんだかパッとしないのである。そして、父と仲良くなった王さんが、王さんの息子の徐超を小君に紹介することでお見合いが進むのであるが、徐超と小君は仕事上で揉めていたのである。なによりも終盤に徐超の本当の姿を父が見てしまったことで、徐超と小君のお見合い話しは流れることになるのだ。その後、小君の将来の決断、父の体の異変といったことが起こっていくのだ。

頑固な父と現代的な娘を通して、世代のギャップ、都会と田舎の生活環境、お互いの考え方の違い、父と娘の愛情表現を繊細に描いた作品である。終盤に連れて娘が感じる父の老いた変化に大きなショックがみえることなのだ。これは、父娘というよりは男女問わずに共感する心境を見せつけている。父親の方、そして年頃の女性の方は共感できる点が多く感じる作品にみえるであろう。

【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★
スポンサーサイト

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

  1. 2007/11/28(水) 19:19:56|
  2. 6.公園
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

中国香港台湾映画レビュー その5 「雲南の少女 ルオマの初恋 (原題:[女若]瑪的十七歳)」

雲南の少女 ルオマの初恋雲南の少女 ルオマの初恋 (原題:[女若]瑪的十七歳)
制作年:2002年
監督:章家瑞 (チアン・チアルイ)
出演:
   李敏 (リー・ミン)
   楊志剛 (ヤン・チーカン)
   祝琳媛 (シュー・リンユエン)
   李翠 (リー・ツイ)
ジャンル:ラブストーリー
鑑賞:彩の国さいたま中国映画祭2007


17歳のハニ族の少女ルオマ(リー・ミン)は、祖母(リー・ツイ)と二人暮し。祖母が茹でたとうもろこしを籠にいれて、乗り合い自動車で町に行き、市場でとうもろこしを焼いて売って生活費を稼いでいた。いつもルオマがとうもろこしを売っている場所の近くに住んでいる漢民族の写真家アミン(ヤン・チーカン)が、ルオマの事が気になり10本もとうもろこしを買ってくれた。だが、アミンは家賃も払えず大家から催促され続けており、昆明にいる恋人が家賃を持ってくるのを待っている状態だった。家中を探しても小銭がなかったので、机の上に置いてあったウォークマンを代金のかわりにとアミンはルオマに渡した。ルオマはウォークマンから流れてくる音楽に深く感動し、いつも持ち歩き大切にしていた。ある日、ルオマがいつものように民族衣装に身を包み、市場でとうもろこしを売っていると、外国人観光客がルオマと一緒に写真を撮っている。その姿をみたアミンは、ある考えを思いつき、棚田が見える場所にバイクでルオマと一緒に行き、棚田を背景にして、外国人観光客相手に金銭を取って写真撮影をする商売をする。この商売は成功して、ルオマは今まで手にしたことがない大金を受け取った。ルオマの夢は、昆明に出稼ぎに行き、町の男と結婚を決めた親友ルオシア(シュー・リンユエン)が教えてくれた「エレベーター」に乗ることである。アミンはルオマに必ず昆明に行きエレベーターに乗せてあげると約束してくれた。果たして、アミンに恋するルオマの初恋の行方はどのようになるのか、そして唯一の夢は叶うのかというお話。

監督は、本作がデビュー作のチアン・チアルイ監督。出演者は、主人公のハニ族の少女ルオマを演じるのは本作スクリーンデビューのリー・ミン、写真家のアミンを演じるのは出演者で唯一の役者ヤン・チーカン、ルオマの親友ルオシアを演じるのはシュー・リンユエン、ルオマの祖母を演じるのはリー・ツイ。

ハニ族の少女ルオマが写真家を目指して都会からやってきた青年アミンに恋をしてしまう初恋物語である。海抜2千メートルを越す場所で、絶景の棚田を舞台に純粋なルオマが美しく描かれている。

序盤からハニ族の生活をみせるような表現をしており、独特な家に祖母と二人で生活するルオマ、棚田で水牛を使って耕す近所のおじいちゃん、そのおじいちゃんから子牛を貰う約束をするルオマ、棚田の畦を走り抜ける姿などなど。市場でいつもとうもろこしを売るルオマは、民族衣装を着ていることもあり外国人観光客から写真をせがまれるばかり、肝心のとうもろこしは売れないのだ。そこで、試しに金銭を取って写真を撮らせることをしたのがアミンなのだ。都会で生活をしていたアミンの商売の知恵ではなるが、なんだかこの姿だけをみるとハニ族の生活や文化を商売道具にしていることで嫌悪感がある。

だが、ルオマとアミンの出会いということもあり、ルオマの心はアミンに徐々に向いていくのがみえる。毎日のようにルオマはアミンと会い、バイクで棚田がみえる観光地まで二人乗りをして、ルオマにとって想像がつかないエレベーターという物に乗る夢を語り、親友ルオシアの結婚話しも聞かされていたことで、アミンのことがどんどん好きになっていくのみえる。そこに突然現れるのが昆明からやってきたアミンの恋人である。写真館からひとりで外に出るルオマの激しい嫉妬心は、アミンの恋人から貰ったチョコレートにぶつけるのだ。写真館から大きく漏れるアミンと恋人の口論がルオマの耳に響くのである。終盤は、淡い恋の結末になっているので鑑賞して楽しんで欲しい。

音響面で気になるところは、アミンから貰ったウォークマンに入っていた曲である。アイルランドの女性歌手エンヤの歌う「カリビアン・ブルー」は、ルオマの心に響くように演出されており、そして美しい映像とうまくマッチしている。

映像面は、ハニ族の伝統でもある棚田を描いていることである。雲南省紅河州で見られる棚田は、山の斜面の小さな田んぼが縞馬の模様のように連なり、その棚田を先祖から受け継いだ知恵なのである。稲刈りの時期でも常に水をひいているのがここの棚田の特長だ。田植え時期の水が張った棚田を空から見下ろした映像はまさに絶景である。そして、ハニ族の伝統である泥を投げるシーン、収穫、田植え、歌、祈りといった儀式を描く手法は見事に鑑賞者の心を掴むであろう。

【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

  1. 2007/11/22(木) 19:05:53|
  2. 5.雲南の少女 ルオマの初恋
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

中国香港台湾映画レビュー その4 「傷だらけの男たち (原題:傷城)」

傷だらけの男たち傷だらけの男たち
制作年:2006年
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)、麥兆輝(アラン・マック)
出演:
    梁朝偉(トニー・レオン)
    金城武
    舒淇(スー・チー)
    徐静蕾(シュー・ジンレイ)
ジャンル:サスペンス
鑑賞:2007東京・中国映画週間


2003年のクリスマスに、刑事ポン(金城武)と親友でもあり上司のベテラン刑事ヘイ(トニー・レオン)は、女性ばかりを狙って殺人を繰り返す連続殺人犯を逮捕した。その夜、疲れきったポンが帰宅すると、ベッドの上で自殺した恋人が横たわっており、しかも彼女は妊娠していた。3年後、ポンは恋人の死から立ち直れず、刑事を辞めて私立探偵に転職するが、飲めない酒を浴びるように飲むようになりアルコール依存症になっていた。一方、ヘイは香港の実業家で億万長者チャウの一人娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と幸せな新婚生活を送っていた。そんなある日、チャウと執事マンが自宅で惨殺され、セキュリティが厳重な邸宅でこのような殺人事件が起こったことに動揺するヘイとスクツァンであった。その犯人は間もなく死体で発見され、事件は金品目当ての強盗殺人として解決するかにみえた。しかし、強盗殺人なのに残虐すぎる手口、不可解な点がいくつもみつかり、完璧なセキュリティで見知らぬ者を寄せ付けないことを知っていた娘スクツァンは、事件の真相を知るために私立探偵ポンに調査を依頼した。ポンの調査が進むに連れて、事件真相がみえてきて意外な人物が捜査線上に浮かび上がった。果たして、事件真相はどのような展開なのか、本当に傷ついた心を持ち続けていたのは誰なのかというお話。

監督は、『インファナル・アフェア』シリーズのアンドリュー・ラウ監督とアラン・マック監督。出演者は、ヘイ刑事を演じるのは『インファナル・アフェアⅠ~Ⅲ』『2046』のトニー・レオン、元刑事で私立探偵ポンを演じるのは『LOVERS』『ウィンター・ソング』の金城武、ポンの新しい恋人フォンを演じるのは『the EYE 2』『百年恋歌』のスー・チー、ヘイ刑事の妻スクツァンを演じるのは『最後の恋、初めての恋』『TIGER (原題:兄弟)』のシュー・ジンレイ。

億万長者チャウと執事マンが殺される強盗事件を背景に、チャウの娘スクツァンが事件の真相を暴くために私立探偵ポンを雇い、この事件の謎を解いていくのだ。だが、事件の犯人はすでに死んでいると警察の発表ではなっているが、本当は真犯人がおり、真犯人を捕まえるのがこの作品の見せ場ではなく、犯人の悲しみをより深く味わうところが見せ場になっている。

まず、深い傷を追うのが恋人とこれから生まれてくる子供が亡くなったポンである。刑事という忙しい職業でなかなか恋人の気持ちを受け止めてやれなかったことへの自分への罪と思っているのだ。刑事を辞めて私立探偵をしているが、アルコール依存症になるまで酒を浴びる日々が続く堕落した人生を序盤でみせている。そんなポンと出会うのがホステスのフォンで、ぶっきら棒なフォンの言葉や行動が気になるポンは徐々に近づいていく。ポンの傷ついた心を回復の兆しに導くのがフォンの存在なのだ。

一方で幸せな日々を送っていたヘイ刑事であったが、妻スクツァンの父、そなわち義父が殺されたことで二人の関係に少しづつ亀裂ができていく。表面上では愛し合っているようにみえるヘイ刑事と妻スクツァンにみえるのである。その証拠にスクツァンが私立探偵ポンに父の殺人事件の調査を頼むところにみえる。

私立探偵ポンが一人で事件を調査するのでなく、途中まではヘイ刑事も同行して調査が進められている。そこで、第三の男の存在が浮かんできたり、事件の不明点を洗い出していくのである。サスペンスジャンルに位置する作品であるが、真犯人は序盤のほうにモノクロな形でみせているために観客側は誰が真犯人なのかはわかっているのだ。なぜこのような行動をとったのか、動機はなんなのか、真犯人の心境はどうなのかを物語が進行するに従ってうまくみせつけているのだ。

傷ついているのは私立探偵ポンだけではないのがポイントである。そして、事件の真相は「復讐」が絡み衝撃の事実を終盤に私立探偵ポンが暴き出し、真犯人の心を揺さぶるのだ。派手な映像や音響がなく、ノワール色が強い作品に仕上がっているのが印象的である。終盤のヘイ刑事、私立探偵ポン、スクツァン、フォンの運命が非常にうまく描かれている。

【なめ犬的おすすめ度】 ★★★★

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

  1. 2007/11/16(金) 19:46:43|
  2. 4.傷だらけの男たち
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:0

中国香港台湾映画レビュー その3 「女人本色」

女人本色女人本色
制作年:2007年
監督:黄真真(バーバラ・ウォン)
出演:
    梁詠(ジジ・リョン)
    薛凱(フィオナ・シッ)
    林子祥(ジョージ・ラム)
    鄭嘉穎(ケビン・チェン)
    聶遠(ニエ・ユエン)
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー、コメディ
鑑賞:第20回東京国際女性映画祭


時は1997年の香港。キャリアウーマンの成在信(ジジ・リョン)は、会社の財務担当をしており、仕事もでき上司からは信頼され部下からは慕われる女性である。香港がイギリスから中国に返還される日に、成在信の会社は返還記念パーティーを行った。そのパーティーの席で、会長は経営方針を変えて今までこの会社のCEOを務めていた成在信の夫の杜林(ジョージ・ラム)に代わって、大陸の程必聰(ニエ・ユエン)を新CEOへ昇格させ、そして成在信をCFOへと昇進させた。職を失った元CEOの杜林は、新しい職を求めて妻の成在信と子供ロロを残してシンガポールで再生し直す。夫と離れ離れの生活になった成在信を支えたのは、彼女の部下で明るい性格の宋曉彤(フィオナ・シッ)、近所に住む幼なじみの楓(ケビン・チェン)、成在信を娘のように可愛がる楓の父、いつも成在信に儲け話があると言って投資してくれるように頼みにくる毛毛(シウイー)、彼女を気づかう新CEOの程必聰らであった。だが、成在信の生活環境が苦しくなっていた上に、追い討ちをかけるように香港経済は悪化していき、アジア全体が巻き込まれた経済危機、不動産の暴落、SARSと次々と香港に不幸が襲う。その苦境になんとか乗り越えようとする成在信であるが、彼女自身や彼女の周辺で不幸な出来事が頻発する。イギリスから中国に返還されて10周年の香港で、女性の成在信の身の回りで起こった出来事を中心に描き、力強く生き抜いてきた香港の女性たちのお話。

監督は、女性監督のバーバラ・ウォン。出演者は、キャリアウーマンの成在信を演じるのは『再見 また逢う日まで』『ターンレフト ターンライト』のジジ・リョン、成在信の部下であり妹的存在の宋曉彤を演じるのは『雨音にきみを想う』のフィオナ・シッ、成在信の夫である杜林を演じるのは『BE MY BOY』のジョージ・ラム、成在信の幼なじみ楓を演じるのはケビン・チェン、新CEOの程必聰を演じるのはニエ・ユエン、成在信に何かと投資してもらう毛毛を演じるのはシウイー。

香港が中国に返還されてから10年間で、大きな出来事が連続で発生してダメージを受けたなか、成在信を中心に女性がこの苦境のなかで力強く生きていく姿を映しだしている。

成在信は香港返還と同時にCFOに出世したが夫はCEOの職を失い、生活のために職を求めてシンガポールに行ってしまう。まだ幼い子供ロロの世話もしなければいけない時期に夫がいない苦しさがあり、夫の杜林の支えがないのが大きな痛手である。そこで、精神的に彼女の柱になってくれた部下でもあり友人である宋曉彤、今でも成在信のことが気になる幼なじみで医師の楓である。いつも成在信の職場に現れる友人の毛毛は、いろいろなアイデアを考えだして成在信に投資してくれるように頼みにくるところは、ある意味で成在信の息抜きにもなっているし、お互いの優しさもみえている。成在信と毛毛は、今までの投資が芽がでなくても「Nothing is impossible」と言って前向き思考が笑いを提供してくれるのだ。

毛毛と同じように成在信に投資の話しを持ちかけてくるのが、不動産業をしている楓の父であり、自分が損をするのがわかっていても自分をいつも娘のように可愛がってきてくれたこともあり、楓の父の力になってあげたい気持ちが伝わってくる。だが、ストーリーが進むにつれて楓の父がかなり悪い奴にみえてくるのだ。
もうひとり成在信を親身に考えてくれていたのが新CEOの程必聰であった。終盤に大きな決断をする程必聰は、成在信を今まで支えてきたこともあり苦渋の選択をしているのもみえ、会社としては仕方がない行動をとる。

スパイス的な要素を取り入れたのが、宋曉彤の恋である。偶然、街でスリにバックを盗られて犯人を取り押さえてカバンを取り返してくれた男と付き合うようになるのだ。また、宋曉彤を密かに心を寄せていた花屋の青年も絡み、二人の男性からのアプローチの結末もおもしろいオチになっている。

中盤以降は悲しい出来事のオンパレードでどん底に突き落とされる成在信が、宋曉彤や毛毛の助けもあり、復活していく力強い女性のパワーをみせてくれる。香港でこの10年間で起こった劇的な情勢を成在信の人生とリンクしなが進むストーリー構成になっているので、成在信のドラマだけでなく香港が再生していく姿も同時に描いているのもみえる作品だ。

【なめ犬的おすすめ度】 ★★★

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

  1. 2007/11/13(火) 19:15:49|
  2. 3.女人本色
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

中国香港台湾映画レビュー その2 「 夜の上海 (原題:夜。上海)」

夜の上海夜の上海 (原題:夜。上海)
制作年:2007年
監督:張一白 (チャン・イーバイ)
出演:
    本木雅弘
    趙薇(ヴィッキー・チャオ)
    西田尚美
    塚本高史
    郭品超(ディラン・クォ)
ジャンル:ラブストーリー
鑑賞:一般上映(日本)


カリスマメイクアーティストの水島直樹(本木雅弘)は音楽祭の仕事のためにパートナーの高橋美帆(西田尚美)と共に上海にやってきた。水島は、恋人でもある美帆とは長く交際しているが最近二人の心はすれ違いばかりで、二人の関係に悩んでいた。音楽祭が終わり手ぶらで夜の街を歩いていた水島は、突然背後からタクシーに追突されてしまう。幸い怪我もなく無事であった水島をタクシーから下りて来て近寄ってきたのが女性ドライバーのリンシー(ヴィッキー・チャオ)であった。リンシーは密かに想っていた修理工のドンドン(ディラン・クォ)が明日に他の女性と結婚することを知ったことで気が動転していた。リンシーは、水島をタクシーに乗せて夜の上海を走り出す。北京語が話せない水島とは会話が噛み合わないなか、二人は次第に心を通わせるようになっていくお話。

監督は、『アバウト・ラブ/関於愛』のチャン・イーバイ監督。出演者は、メイクアーティストの水島を演じるのは『スパイ・ゾルゲ』の本木雅弘、女性タクシードライバーのリンシーを演じるのは『クローサー』『ヘブン・アンド・アース』のヴィッキー・チャオ、水島の恋人美帆を演じるのは『愛してよ』『電車男』の西田尚美、美帆に片想いする年下男河口を演じるのは『タイヨウのうた』『涙そうそう』の塚本高史、リンシーが片想いするドンドンを演じるのは『雨音にきみを想う』のディラン・クォ、日本語通訳ショウシンを演じるのは『ディバージェンス -運命の交差点-』『ドッグ・バイト・ドッグ』のサム・リー、広告代理店の山岡を演じるのは『サヨナラ COLOR』『スウィングガールズ』の竹中直人。

恋人美帆との関係に悩む水島、密かに想いをよせていたドンドンが結婚することをきかされ傷ついたリンシーが偶然出会い、心のケジメをつけることで二人の関係はより親密になっていくロマンスである。

水島と美帆は、公私とも一緒にいることでいつしか恋人という関係ではなくなっていた事を感じている。美帆も同じで、いつも隣りにいるが心は遠くにあることに気づいていた。このような関係をこのまま継続していいのかという疑問を強く押したのがリンシーとの出会いである。

リンシーは、いつも暴走することでタクシーを破損して修理に出しにくるのであるが、目的は片想いのドンドンに会うための口実でもあった。だが、自分の気持ちを伝えるのが遅すぎたために、他の女性と結婚を決めてしまったドンドンに独身最後の夜になんとか自分の気持ちをぶつけようと勇気を出そうとしている。そんな焦りもあって、通りを歩いていた水島を轢いてしまい、二人は出会ってしまうのだ。

言葉の通じない二人が、互いに自分の母国語でなんとか気持ちをわかってもらうようにしている二人の仕草がとても心地いいのだ。言葉ではなく相手を想う気持ちで意志の疎通を図っているところが好きである。リンシーはなんとかして水島を下ろしてドンドンに会いたい、水島はなんとかして自分のホテルに帰りたいという二つの目的が異なることが二人の行動をおもしろくみせている。なんといっても、ヴィッキー・チャオ演じるリンシーの気が強いところ、孤独感をみせ、けだるそうな感じをうまく表現されていて魅力的に感じてしまう。

要所要所に笑いを誘うコメディタッチなシーンを入れて和ませようとしているのであるが、笑うというよりは失笑である。特に竹中直人演じる山岡は弾けすぎるくらいに笑いを提供しているがことごとく外している。全体を盛り上げるために、それぞれにカップルになるようにキャスティングしているが、ストーリー展開からして無くても成立するようにみえる。美帆と年下の河口(塚本高史)、加山(和田聰宏)とバーの中国人歌手、通訳ショウシン(サム・リー)と理恵(大塚シノブ )、山岡(竹中直人)と婦警という組み合わせだ。

題名でもあるように夜の上海の景色はとても綺麗に描かれているのがわかる。夜の高速道路、外難の街並み、中心部から少し外れた一般的な中国の景色といった上海の魅力を大スクリーンで鑑賞すると感激してしまう。以前に上海に旅行にいったことがあり、外難、上海市人民英雄記念塔付近、東方明珠塔付近、そして水島や美帆が泊まっていたホテルなどなど見たことある景色をスクリーンを通してみることで、懐かしさと嬉しさが心の底から湧いてくる。だから上海に行ったことがある人がこの作品を鑑賞するとストーリーとは別に違う感情が込み上げてきておもしろくみえるかもしれない。

正直なところ、ストーリーは無理矢理に繋げている感じを受けるので未完成な状態のように感じられる。非現実的な出来事が連発するので、整合がとれていないのははっきりわかる。だから、ストーリー重視でなく俳優や映像を楽しむような作品であろう。

【なめ犬的おすすめ度】 ★★

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

  1. 2007/11/13(火) 00:24:02|
  2. 2.夜の上海
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。